AIによるパイロット技能分析ソフトウェア

InstructIQ

PACE社

日本正規代理店

フライトシミュレーターデータをリアルタイム分析し、
客観的な評価と効率的な訓練を実現

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:: 製品概要


AIが教官の"第二の目"となり、客観的なデータで訓練を支援

InstructIQは、人工知能(AI)を活用し、フライトシミュレーターのデータをリアルタイムで分析する革新的なソフトウェアです。パイロット個々の強みや弱み、コアコンピテンシーを正確に特定し、各操作のパフォーマンスに関する詳細な洞察を提供します。

これにより、従来の主観的な評価に頼ることなく、データに基づいた客観的な評価が可能になります。訓練の標準化、弱点の早期発見、個別最適化された指導を実現し、訓練全体の効率と効果を飛躍的に向上させます。

AI分析による客観的データで、訓練の質と効率を最大化。コスト削減と安全性向上に貢献します。

InstructIQのダッシュボード画面(イメージ)
リアルタイムデータ分析で訓練状況を可視化

:: 製品詳細


主要機能

InstructIQは、AIとデータ分析に基づいた多彩な機能で、パイロット訓練を強力にサポートします。

自動活動検出

ディープニューラルネットワークが訓練中の操作(離陸、着陸、特定のマニューバーなど)を自動で認識・分類します。

自動パフォーマンス評価

設定された基準に基づき、各操作のパフォーマンスを客観的かつ自動的に評価します。

直感的なデータ可視化

分析結果やパフォーマンスデータをグラフやチャートで分かりやすく表示。訓練の進捗や傾向を一目で把握できます。

人間参加型自動評価

AIの評価結果に対し、教官が最終判断を下します。AIと教官の知見を融合します。

ベイジアンコンピテンシー推論

ベイズ統計学に基づき、断片的なデータからでもパイロットの潜在的な能力やコンピテンシーを推論します。

訓練生プロファイル

個々の訓練生のパフォーマンス履歴や能力の推移を記録・管理。長期的な成長を追跡できます。

主な利点

InstructIQの導入により、訓練プログラムに以下のようなメリットがもたらされます。

客観的なパフォーマンス指標

データに基づいた評価により、主観性を排除し、公平で一貫性のある能力測定を実現します。

訓練の標準化

組織全体で評価基準を統一し、訓練の質を均一化。高価な設備投資なしで実現可能です。

訓練効果の向上と補習削減

弱点を正確に特定し、的を絞った指導を行うことで、補習訓練の必要性を低減します。

個別最適化された訓練

各訓練生の進捗や特性に合わせた指導計画を容易にし、学習効果を最大化します。

教官の負担軽減

データ収集や評価の自動化により、教官はより指導やメンタリングに集中できます。

安全性と効率性の向上

より訓練の質が高まり、安全性と運航効率の向上が期待できます。

コスト削減

訓練時間の短縮や補習訓練の削減により、年間訓練コストの削減が期待できます(最大20%以上)。

規制準拠とセキュリティ

航空規制準拠

FAA (米国連邦航空局) および EASA (欧州航空安全機関) の規制要件に準拠しています。

訓練プログラム互換性

MPL (Multi-Crew Pilot License) および AQP (Advanced Qualification Program) と互換性があります。

堅牢なデータ暗号化

通信中および保存中のデータは、AES-256方式で強力に暗号化され保護されます。

個人情報保護法準拠

GDPR (EU), CCPA (米国カリフォルニア州), PIPEDA (カナダ) と、重要な個人情報保護規制に準拠しています。

スケーラブルなインフラ

低遅延で拡張性の高いクラウドインフラにより、安定したサービスを提供します。

:: よくあるご質問 (FAQ)


コンピテンシー評価の難しさ

パイロット訓練では、単に技術があるかだけでなく、実際の運航で求められる総合的な能力、すなわち「コンピテンシー」を見極めることが重要です。しかし、このコンピテンシーは目に見えにくいため、「どのような行動が、どの能力の表れなのか」を客観的に定義し、評価者間で共通認識を持つことが難しいとされています。国際的なガイドラインであるICAO Document 9995(エビデンスベース訓練マニュアル)は、この評価基準の標準化に大きく貢献しています。

InstructIQによる評価方法

PACE社では、ICAO Doc 9995や米国の技能基準(ACS)、航空機マニュアルなどを参考に、経験豊富なインストラクターと共に詳細な「パフォーマンス指標」のデータベースを構築しました。これにより、訓練中の具体的な操作や判断が、どのコンピテンシー(例:状況認識、問題解決能力など)に関連しているかを体系化しています。

InstructIQのAIは、シミュレーターから得られるデータに基づき、これらのパフォーマンス指標を自動で検出し、パイロットのパフォーマンスを客観的に評価します。1回の訓練セッションで、AIは何十、何百もの指標を分析します。

コンピテンシーの推定と最終判断

収集された多数の評価データは、「コンピテンシー推論エンジン」に入力されます。これはベイジアン統計学(※)を用いた高度なAIシステムで、個々のパフォーマンス指標から、そのパイロットが持つコンピテンシーの全体像(能力プロファイル)を最も確からしい形で推定します。

ただし、最終的な評価の承認は、必ず経験豊富なインストラクターが行います。AIはあくまで客観的なデータを提供するツールであり、そのデータを解釈し、最終判断を下すのは人間の役割です。

(※ベイジアン統計学:限られた情報から、より確からしい答えを推測するための統計的な考え方)

現状では、フルフライトシミュレーター(FFS)が、実機に極めて近い環境を提供できるため、パイロット訓練において最も信頼性の高い方法とされており、多くの規制当局もFFSでの訓練を重視しています。

InstructIQは、FFSを置き換えるものではなく、その訓練効果を最大化するためのツールです。

将来的には、InstructIQのようなツールで収集・分析された客観的なデータが、「FFS以外のより小型で安価な訓練機器(VR/ARデバイスなど)でも、FFSと同等の訓練効果が得られる」ことを証明する上で、重要な役割を果たす可能性があります。これにより、訓練の選択肢が広がり、より効率的でアクセスしやすい訓練が実現するかもしれません。しかし、そのためにはまず、他の訓練方法の有効性がデータによって客観的に示される必要があります。

PACE社の目指す未来は、画一的な訓練ではなく、個々のパイロットの経験や背景、ニーズに合わせた個別最適化された訓練です。InstructIQのAI技術は、その実現に向けた鍵となります。

航空業界における「コンピテンシー」は、ICAOのエビデンスベース訓練マニュアル(Doc 9995)などで明確に定義されています。これは単なる知識やスキルだけでなく、それらを実際の運航場面で効果的に発揮するための総合的な能力を指します。

主なコアコンピテンシーとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 飛行経路管理: 航空機を手動または自動で正確にコントロールする能力
  • 状況認識: 周囲の環境や自機の状態を正しく把握・理解する能力
  • 手順の適用: 定められた操作手順や規則を適切に実行する能力
  • コミュニケーション: 管制官や他のクルーと明確かつ効果的に意思疎通する能力
  • リーダーシップとチームワーク: チーム内でリーダーシップを発揮し、協力して目標を達成する能力
  • 問題解決と意思決定: 予期せぬ事態に冷静に対処し、適切な判断を下す能力
  • ワークロード管理: 複数のタスクを効率的に処理し、自身の負担を管理する能力

よく似た言葉に「プロフィシエンシー(習熟度)」がありますが、これは特定の操作(例:着陸)を「正しくできるか」という個別の技能レベルを指します。一方、コンピテンシーは、様々な状況でプロフィシエンシーを発揮するための、より根源的で汎用的な能力や資質と言えます。InstructIQは、この目に見えにくいコンピテンシーをデータに基づいて可視化・評価することを目指しています。

InstructIQ®は、個々のパイロットに合わせて訓練内容を最適化(アダプティブ・トレーニング)するための、ウェブおよびモバイル(iPad)対応プラットフォームです。

インストラクターはiPadアプリを使用し、訓練センターにはPACE社が提供するデータ収集装置が設置されます。InstructIQを通じて、インストラクターは以下のような機能を利用できます。

  • リアルタイム訓練分析: シミュレーターでのパフォーマンスを客観的に分析・表示
  • 電子評価シート: 効率的で標準化された評価記録
  • ブリーフィング/デブリーフィング支援: データに基づいた効果的な指導をサポート
  • 個別訓練プランの推奨: 各パイロットの弱点を克服するための最適な訓練内容を提示

これにより、航空会社や訓練学校は、より効率的にコンピテンシーベースの訓練を実施でき、コスト削減と訓練効果の向上、ひいては運航の安全性向上に繋げることが可能です。

航空安全において、コミュニケーション、リーダーシップ、チームワーク、ワークロード管理といった、いわゆる「ヒューマンファクター」や「非技術的スキル」は、操縦技術と同じくらい非常に重要です。

現在のInstructIQでは、主に技術的なパフォーマンスと、それに関連するコンピテンシーの評価に重点を置いています。 リーダーシップやコミュニケーションといった非技術的スキルの評価は、現時点では主にインストラクターの観察と判断によって行われます。

しかし、将来的には、非技術的スキルの評価を補助する技術の活用も期待されています。例えば、アイトラッキング(視線追跡)によるパイロットの注視点の分析、声のトーン分析によるストレスレベルの推定、その他の生体情報(バイオメトリクス)などを組み合わせることで、ワークロード管理やコミュニケーションの状態を客観的に把握できる可能性があります。

PACE社としても、これらの新しい技術動向を注視しており、将来的にはより包括的なコンピテンシー評価の実現を目指しています。

:: 価格とお問合せ


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